なんちゃって陸マイラーのSFC修行

ANAマイルを年間50万以上を手抜きで獲得する陸マイラーのブログ

SFC修行: SFC取得のデメリットをあえて考える

 こんにちは、AMFです。7月に50,000PPを突破してプラチナメンバー基準を達成したものの、今使っているANAカードの更新タイミングを逃してしまい、仕方がなくスーパーフライヤーズカード(SFC)申込みを当面延期して、今までのカードをそのまま使い続けています。

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 さて、世の中ANAのプレミアムポイント50,000PPを獲得して、SFCを取得しようというSFC修行に熱をあげている方がどんどん増えているように感じるのですが、ここらでちょっとSFC取得のデメリットを考えてみたいと思います。なお、プレミアムポイント、SFC修行とは何?という方は以下の解説をご覧ください。

 

SFC取得のメリット

 まず最初にSFC取得のメリットを並べてみます。これはもうブロガーの皆さんがたくさん書いていますね。

 

1. ANAラウンジ使い放題

 利用するには、ANA便やスターアライアンス便に搭乗する必要があります。ただしSFCがなくても、国内線ならプレミアムクラス、国際線ならプレミアムエコノミー以上の搭乗であれば利用できます。ただしSFC所有の場合は常に同行者1人が一緒にラウンジを使えるのに対して、国際線のビジネスクラスとプレミアムエコノミー搭乗の場合は、エコノミークラスに搭乗する同行者はラウンジを使えません。(国内線のプレミアムクラスと、国際線のファーストクラス搭乗の場合は同行者1人もラウンジを使えます。)

 

2. 優先チェックイン

3. 専用保安検査場の利用

4. 優先搭乗

5. 手荷物受け取りの優先(プライオリティタグ)

 早い話が待ち時間が減るサービスです。国内線の場合はこれで十分ですし、国際線の場合、これに加えて出入国自動化ゲート利用登録を組み合わせれば最強です。ほとんどがANAやスターアライアンスに搭乗するときのサービスですが、成田国際線のプライオリティレーンは他社便利用の場合でも利用可能です。

 ただしこれらのサービスもANAラウンジと同様に、SFCがなくても、国内線ならプレミアムクラス、国際線ならビジネスクラス以上の搭乗であれば利用できます。一部プレミアムエコノミーでも利用できるサービスもあります。

 

6. 国際線で、エコノミー席をプレミアムエコノミーに無料アップグレード

7. アップグレードポイント付与

 どちらも無料でアップグレードしてくれるサービスですが、前者はアップグレードが絶対確実とは言えないこと、後者はアップグレード対象運賃での航空券発券が必要なため、結局は高いという難点があります。前者はANA便のサービスですが、後者はANA便とユナイテッド航空便で使えます。

 

8. 特典航空券の優先枠がある

9. 国内線普通席座席指定の優先枠がある

 特典航空券の優先は結構強力ですが、それでも席がないときはどうしようもないという現実もあります。

 

10. 搭乗マイルのボーナス

 ANA便搭乗時についてくるボーナスマイルが、通常のANAワイドカードやゴールドカードだと25%のところ、SFC一般カードだと35%、ゴールドカードだと40%にアップされます。

 

 こうしてみると、SFCのメリットは、国際線エコノミークラスや国内線の普通席に何回も乗ってこそのメリットという印象です。普段から仕事などでそのような席にしょっちゅう乗る人には、大変ありがたいものとなるでしょう。国内線プレミアムクラスや国際線プレミアムエコノミー以上に乗る人でも、頻繁に乗る人なら、特典航空券の優先や、ボーナスマイルアップの点でメリットはあると思います。ただ、もともとあまり頻繁に乗らない人だとどこまでメリットがあるか考えるところです。ましてや、日程の自由が効く人がマイペースでマイルを貯めて、ごくたまに国際線のビジネスクラスに特典航空券で搭乗するということであれば、SFCがなくてもラウンジも優先搭乗等も利用できるので、結局のところ特典航空券の優先枠があるということ以外にはこれといったメリットはないとも言えます。

 

では、今度はデメリットを見てみましょう。

 SFC取得のデメリット

1. 年会費が高い

 プレミアムカードは年会費が 7万円以上で話にならないので、ゴールドカードと一般カードを見てみます。

    Visa・Masterで、マイ・ペイすリボとWeb明細に登録した場合
  本会員 家族会員 本会員 家族会員
JCB・Visa・Masterゴールド 16,200
(15,000+税)
8,100
(7,500+税)
11,340
(10,500+税)
6,480
(6,000+税)
ダイナース 30,240
(28,000+税)
11,340
(10,500+税)
   
アメックスゴールド 33,480
(31,000+税)
16,740
(15,500+税)
   
JCB・Visa・Master一般 11,070
(10,250+税)
5,508
(5,100+税)
10,017
(9,275+税)
4,941
(4,575+税)

 

 一番安い、Visa・Masterを割引にした場合でも、年会費が 10,000円を超えることになり、家族会員までつけると 15,000円近くになってしまいます。マイル移行のことなどを考えるとゴールドのほうが良さそうですが、その場合、家族会員を一人つけると 17,820円になります。

 「Visa・Masterのワイドゴールドカードよりも1,080円高いだけ」と言うことももちろんできますが、考えても見て下さい。そもそもそのゴールドカードはマイルを貯めやすくして陸マイラー生活をエンジョイするための出費なわけで、最初から陸マイラーなんて面倒に首を突っ込まなければ必要がない経費です(笑) そもそもがあまり飛行機に乗るような生活でなければ、年会費0円~2,000円のフツーのカードでも十分だったはずで、一線を超えて「なんちゃってセレブ」の世界に足を踏み込むか、正気を持って一般世界に踏みとどまるか、改めて考えてみるのも良いかもしれません。

 

2. ANAまたはスターアライアンスメンバーに乗らないと意味がない。

  SFCのサービスは、基本的にはANAやスターアライアンスに乗ってナンボのサービスです。そもそも飛行機に乗らない人、飛行機には乗るけれども価格重視でLCCへの搭乗を考えるようでは意味がありません。そういう意味ではANAの奴隷になる覚悟が必要です。

 

3. 年会費以外の出費もかさむ

 1.と2.の複合になりますが、せっかく高い年会費を払ってSFCを維持するのだからと、他に安いフライトがあってもANA系の飛行機に無理矢理乗ったり、そもそも出かける必要がないのに遠出してみたりと、サービスを受けるためにますますお金の持ち出しが増えてしまうという本末転倒な話になりかねません。
 

4. 健康に悪い

 ラウンジのサービスってのは基本的に飲食サービスです。基本が飲み放題、食べ放題ですからね… 飲食がタダなのでそれで元を取ろうという頭があると、一気に健康を害する可能性があります。国際線の場合はさらに機内食が必ずありますから、ラウンジで食べて、しばらくしたらまた食べて・・・では、デブまっしぐらです(笑)

 

注: ラウンジの利用券はお金で手に入る

 ANA便に乗る際にANAラウンジに入りたいということであれば、ANA My Choiceで ラウンジ券を5,150円で購入できます。また、ANAスイートラウンジに入れるANAスイートラウンジご利用券は、ヤフオクやメルカリで6,000円前後で出品されているので、ANA運航便、スターアライアンス運航便、スターアライアンス以外のコードシェア便利用の場合にはこの手も使えます。

 

まとめ

 こうしてみると、SFCというのはなかなかうまく作られた制度だなあと感じます。もともとたくさん乗ってくれるお客さんなら真のお得意様なのでSFCのメリットは享受してもらう価値のあるお客様ということになるでしょう。普段乗る機会が少ない客の場合には、時々だけ利用される恩恵を年会費で買っていると考えることができます。陸マイラーが貯めたマイルの特典航空券で発券する場合を考えると、国内線普通席や国際線エコノミークラスを発券するならば、それはANAから見ればマイルを安い価値で使ってくれて助かるということになりますし、ビジネスクラスを発券するならば、マイルを高い価値で使われたことになる代わりに、SFCのメリットのほとんどはその航空券についていることになり、SFCの年会費はタダ儲けの形になります。SFCの元を取ろうとマイルを使わずにお金で航空券を発券するならば、本来なら使われるはずのなかったお金をANAに落としてくれるいいお客様、ましてや私のようにそのSFCのために大金をぶっ込んで修行しようなんてのは、いいカモ以外の何者でもありません。

 

 でも、我々はもう足を突っ込んでしまいましたから、呪縛が解けるまではANAの思う壺の中にいるしかありません。もしかしたら、その「SFCの魅力」という呪縛から自らを解き放つことこそが、真の「SFC解脱」なのかも知れませんね。